2008年10月7日火曜日

天才

昨日、広島東洋カープの前田智徳が2000試合出場を達成したという記事が、スポーツ新聞各紙にちっちゃく載っていた。


















プロ野球史上41人目とのことだが、度重なるケガと戦いながら良くぞここまでと、昨年の2000本安打達成に引き続き思った。かつて両足のアキレス腱にメスを入れながら、この大記録を達成した選手はいただろうか?





「無冠の帝王」といえば真っ先に清原を思い浮かべるはずだが、いまいち番長派閥ではないデカとしては、真の「無冠の帝王」こそ前田智徳であると言いたい。




















プロ野球界最後の”サムライ”の集大成に是非注目だ。





時をほぼ同じくして今日、横浜ベイスターズの鈴木尚典、戦力外通告のNewsが飛び交う。記事によると現役続行の意思は薄く、2軍コーチに就任するのではと推測されている。





その昔、巨人ファンだったデカも、全盛期の尚典にはカナリやられた思い出がある。右へ左へ、独特の腕をたたむインパクトから幾度と無く勝負所で、決定打を叩き込まれた。




















共に”天才”と称えられた打撃で一時代を築いた大打者であり、また共にあの落合博満をも唸らせた才能の持ち主であった。



















そんな二人を極限まで交わらせた思い出は1998年のシーズン最終戦、横浜vs広島。打率首位の鈴木尚典を僅か2厘差で追う、前田智徳。





ところが鈴木の首位打者獲得を後押しすべく、横浜投手陣が、前田を全打席敬遠するということが確実になった時点で前田は試合開始を待たず、荷物をまとめて球場を後にしてしまった。





「ファンにみっともないものは見せられない」と言い残し・・・





結局この年は鈴木が前年に引き続き、2年連続首位打者に輝き、大魔神擁する横浜が38年ぶりの日本一を決めた。 





ふとそんなハナシを思い出させた、2つのNewsだった。





職人気質の寡黙な天才。





様々なスター像があってしかるべきと思うが、いつの時代もこんな選手についつい憧れてしまう自分がいる。





同時に、昨今の派手な演出や、パフォーマンスに慣れてしまった我々野球ファンも、本当のファンサービスとは何かをもう一度冷静に見つめ直す必要があると感じた。





”卓越した天才技をファンに魅せる”。





これに勝るものは無いのかもしれない。

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